【レファレンス事例】part1:瀬名秀明先生と月刊「星ナビ」様の巻~それは、一本のメールから始まった…!

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こんにちは!
今年度もみなさまから、たくさんのレファレンスをいただきました。私たちスタッフにとって貴重な勉強の機会であり、張り合いです。

今日はそんな中から、「こんな企画につながった!」という
レファレンス事例をご紹介したいと思います。
題して、「それは一本のメールから始まった・・・」!!!

Part1は瀬名秀明先生と「星ナビ」編集部さんの巻です。
ただいま、こちらの雑誌、月刊「星ナビ」では、

衝撃的なデビュー作『パラサイト・イヴ』以来、多くのファンに愛される、作家・瀬名秀明先生による「オリオンと猫」が好評連載中です。

なんと!舞台は大佛次郎記念館(でも、*この物語はフィクションであり、実在の人物・団体とは関係ありません…念のため)


作家・大佛次郎(1897-1973)と星の文人・野尻抱影(1885-1977)が兄弟ということは、
みなさんご存知でしょうか。

1940年(昭和15)世田谷の自邸で娘や近所の人々とロング・トムで星を観る抱影(中央和服)

大佛次郎は抱影の12歳年下の弟です。大佛はエッセイで「何もかもこの兄の影響をひろく受けた」(『星と東方美術[野尻抱影]』「あとがき」)と書いています。

1950年頃(53歳)の大佛次郎

       

野尻抱影は、1930年、太陽系9番目の惑星としてアメリカで発見されたプルートに「冥王星」という和名を考案した、いわば日本での名付け親です。(現在は準惑星に分類)

探査機ニュー・ホライズンズが撮影した冥王星 ウィキペディアより

その他、星の美を語るエッセイや古今東西の星についての話、日本全国の星の和名辞典など、多くの書籍を著しました。戦後はプラネタリウムの解説者としても有名です。

元々、野尻抱影と大佛次郎の文章に関心があったという瀬名先生。この二人の関係性を大いに知らしめたい!との思いでご執筆下さっているそうです。

そんな、瀬名先生と編集部のみなさん、そして天文関係者のみなさんの閲覧希望は、ずばり!「ロング・トム」

100年近く前に制作された、国産の天体望遠鏡のさきがけです。

上でご紹介した1940年撮影の写真と同じポーズでおさまる「星ナビ」ご一行様

当館でイメージを膨らませて下さった瀬名先生、2月5日発売の3月号から連載がはじまりました。主人公・記念館の新人職員千里(ちさと)の目を通して、若き日の抱影と大佛次郎の姿がリアルに描き出されていきます。

次回の連載第三回は、4月5日発売の「星ナビ」5月号です。抱影の生誕140年であるこの一年を、連載とともに送れることは、本当に幸せです。

当館で4月20日からはじまる展覧会「星の文人 野尻抱影の宇宙」とあわせて、是非お楽しみください!!

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