大佛次郎記念館では、19世紀末〜20世紀初めに活躍したフランスの画家、ポール・ルヌアールの版画(大佛次郎記念館収蔵品)5点を修復しました。これを記念してトークイベントを開催します。
修復した作品は、テーマ展示「大佛次郎 美術の楽しみ―大佛次郎記念館コレクションより」第3章「ポール・ルヌアール版画と修復」で、展示しています。この修復は、特定非営利活動法人 美術保存修復センター横浜による、第2回「画家の思い継承を目指して―時を超えて伝える―絵画修復プロジェクト」によって行われたものです。
トークイベントでは、「絵画修復プロジェクト」の担当者を招き、今回のルヌアール版画の修復例をはじめとして、日本画、油彩画など、大切な作品を長く保存し、
将来に伝えていくために必要な「修復」作業について考えます。
【講師】特定非営利活動法人 美術保存修復センター横浜
内藤朝子、 稲﨑昌仁(表具師〈経新堂 稲﨑〉)
「画家の思い継承を目指して―時を超えて伝える―絵画修復プロジェクト」担当
【ポール・ルヌアールの版画について】
ポール・ルヌアールは、19世紀末から20世紀初頭にかけて活躍したフランスの画家で、ルポルタージュの素描家としても人気を博していました。
まだ報道写真が希少だった当時、取材現場の情景を鋭くスケッチし、版画で表現する描写力や芸術性が高い評価を得ていました。
当館では大佛次郎の旧蔵資料として、ポール・ルヌアールの『ドレフュス事件L'Affaire Dreyfus』(1899)ならびに『動き、身振り、表情Mouvements, gestes et expressions』(1907)という2つの版画集所収の作品、約300点を所蔵しています。版画のリストは、所蔵資料目録の愛蔵品で、ご覧いただけます。
今回修復したポール・ルヌアール作品 (画像は修復後のもの)

ポール・ルヌアール《ラボリ弁護士の一連のしぐさ》(3点組)1899年

ポール・ルヌアール《猫》