【レファレンス事例②】『ブックレット』と『おさらぎ選書』

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大佛次郎記念館では、記念館刊行物として『ブックレット』と『おさらぎ選書』を発行しています。「このふたつの違いは?」「一体どんな内容なの?」とお尋ねいただくことがありますので、今回は、それぞれの内容をご紹介します!

左:『ブックレット-1- 鎌倉通信―若い人達に―』
右:『おさらぎ選書』第1集(増補改訂)

★『ブックレット』

大佛次郎のエッセイや講演録を毎号のテーマに沿ってピックアップした選集。
時代小説をはじめ、現代小説やノンフィクション、童話、戯曲など幅広いジャンルの執筆活動を行った大佛ですが、彼はまた優れたエッセイストでもありました。「神奈川新聞」などで連載を続け、その総数は2000篇近くにものぼります。『ブックレット』は、そうした〈大佛次郎の言葉〉に触れるひとつのきっかけとして、手軽にお読みいただけます♪
実はスポーツマンだった大佛の姿が浮かび上がる『ブックレット-2- I love スポーツ。スポーツエッセイ集』や、歌舞伎に造詣の深かった大佛による、十一代目市川團十郎、七代目中村芝翫ほか名優たちについて綴ったエッセイを収録した『ブックレット-5- 歌舞伎エッセイ集Ⅰ 海老さんのこと』『ブックレット-6- 歌舞伎エッセイ集Ⅱ 吹切れる』など、大佛の作品を読んだことがない方も楽しめる内容を揃えています!

★『おさらぎ選書』

収録内容は各集によって異なり、大佛次郎の作品目録や蔵書目録、書簡の翻刻などの〈資料紹介〉から、当館研究員・職員や多方面のご専門の先生方による論考などの研究〈論考〉まで、バラエティーに富んだ内容となっています!
分野が多岐にわたり、個人全集に全てが網羅されていない大佛次郎は、未刊行の書簡や日記、そして作品も少なくありません。『おさらぎ選書』は、そのような〈知られざる大佛次郎〉に出会うことが出来るシリーズと言えます。大佛文学愛好家の方に限らず、「大佛次郎について知りたい、研究したい」と考えている方にも興味深くお読みいただけるのではないでしょうか。
また、巻末には記念館の活動記録(事業報告など)を附しており、当館の館報としての役割も担っています。

酉子夫人宛て絵葉書(1958.6.25消印):『おさらぎ選書』第24集に収録

それぞれ特色を持つ、『ブックレット』と『おさらぎ選書』。どれを読もうか迷ってしまうかもしれません。
たとえば…
・大佛次郎の〈言葉〉を手軽に味わいたい!→『ブックレット』シリーズ
・大佛次郎のことを様々な角度から深く考えてみたい!→『おさらぎ選書』シリーズ

このような選び方もおすすめです。もちろん、どちらも大佛次郎の魅力が詰まったシリーズですので、気になったものをお手に取っていただければと思います♪
現在、『ブックレット』は第7冊まで、『おさらぎ選書』は第28集まで刊行されており、当館受付にてお求めいただけます。一部品切れもありますが、当館の閲覧室ではバックナンバーすべてをお読みいただけますので、ご来館の際はぜひご活用ください!

そして、『おさらぎ選書』第29集が来年2月に刊行予定です。昨年出版された『南方ノート・戦後日記』についての特集を予定していますので、こちらもお楽しみに!

大佛次郎記念館編『南方ノート・戦後日記』(2023.8、未知谷)
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