【5月24日(土)】大佛次郎研究会 第40回 研究発表会
新聞連載小説『乞食大将』と時局
――大佛次郎の執筆意図をめぐって――

本報告は、大佛次郎が戦国武将・後藤又兵衛(ごとうまたべえ)*を描いた時代小説『乞食大将』を主題にする。この小説は1944年(昭和19)10月25日から『朝日新聞』で連載が開始された。大佛が日記を書きはじめた時期に重なる。それは、翌45年3月6日に終了した。戦況がしだいに「本土空襲」に追い詰められた時期であった。
だが、大佛は新聞の連載が終了したものの、その後にいたっても書き継ぐ。大佛は内奥で、何を秘めていたのか。なぜ書きつづけなければならなかったのか。それを問うてみたい。
*後藤 又兵衛 ……後藤基次(ごとうもとつぐ、1560-1615)。安土桃山時代の武将。黒田孝高・長政父子に仕え、朝鮮出兵、関ヶ原でも武功を挙げる。長政との関係悪化で黒田家出奔後、浪人生活を経て大坂の陣で豊臣方として奮戦。道明寺の戦いで討死した気骨の武将。
【内容】報告と朗読 大佛次郎読書会**、朗読:原田 静
はじめに 「私の叔父=栗原清一は大佛次郎の郷土史先生」 菅野 眞砂
序 論 「『乞食大将』の構成と梗概」 渡利 博
各 論 「鶴姫の登場と役割(仮題)」 小長井 みはる
各 論 「『乞食大将』とトルストイの影」 小池 敬吉
終わりに 司会:内海 孝(東京外国語大学名誉教授)
質 疑
日 時: 2025年5月24日(土) 午後1時30分~4時30分 (予定、開場 午後1時)
会 場: 神奈川近代文学館ホール
横浜市中区山手町110 (港の見える丘公園内)
入 場: 先着200名様(資料代500円)
事前申込不要。当日、会場へ直接お越し下さい。
主催:大佛次郎研究会
共催:大佛次郎記念館 (公益財団法人 横浜市芸術文化振興財団)
後援:神奈川近代文学館(公益財団法人 神奈川文学振興会)
お問い合わせ:大佛次郎記念館 TEL:045-622-5002
**大佛次郎読書会……2010年秋結成、月1回、例会を開く。当初は『終戦日記』の索引づくりで議論し、その成果は2018年5月の研究発表会で報告した。その後、テキストは『乞食大将』に移る。